FC2ブログ
cloudy
自分の好きなこと、特にハロプロ関連の話題とテレビ番組の感想について多く書いています。
新説「北野武劇場」―北野映画の出発点―
まずは北野武監督作品の第1作目から最新作までを順を追って紹介していきたいと思います。

では、第1作目『その男、凶暴につき』から話をスタートさせていきましょう。

ビートたけしといえばお笑い界の大スターです。
そんな彼が本名の「北野武」名義で映画監督を務めることになったのには、ある偶然がありました。

そもそも監督第1作目となる『その男、凶暴につき』は、
北野監督がメガホンをとる予定の作品ではありませんでした。
企画段階では、深作欣二監督がメガホンをとり、主演をビートたけしさんが務める予定だったのです。
それが、製作側との揉め事により深作さんが監督を降板したことで、
かねてよりたけしさんの才能を評価していた製作の奥山和由さんがたけしさんに監督を依頼し、
北野武監督の初監督作品『その男、凶暴につき』が誕生したわけです。

この監督を引き受ける時の条件の一つが、脚本の大幅な書き直しをさせてくれ、ということだったそうです。
つまり、クレジットには脚本は野沢尚さんが務めたことになっていますが、
実質的には脚本は北野武監督によるものだったといっても過言ではないわけです。

主演はそのままビートたけしさんが務めました。
(これ以降の作品でもそうですが、
監督としては北野武名義、出演者としてはビートたけし名義を使用しています。)

そして1989年に劇場公開されたこの作品に世間は震えあがりました。
『その男、凶暴につき』はとんでもないバイオレンス映画だったのです。

たけしさん演じる我妻という刑事の凶暴さ、
そして白竜さん演じる殺し屋の清弘の冷酷そして残忍さは、人々の度肝を抜くものがありました。
作品全体を覆う暗い雰囲気、それは、
お笑い芸人・ビートたけしと映画監督・北野武が同一人物であることを疑いたくなるくらい
お笑いの世界とはかけ離れた雰囲気を持っていました。

今改めて観てみると、この作品の中に潜む世界観や画の中に
『アウトレイジ』や『アウトレイジ・ビヨンド』に通底するものを見出すこともできます。
たとえば、『その男、凶暴につき』で我妻が警察署内で清弘と対峙した時の我妻のアップの画と、
『アウトレイジ・ビヨンド』で
たけしさん演じる大友が加瀬亮さん演じる石原と対峙した時の大友のアップの画には同じ危うさが感じられます。
『その男、凶暴につき』は第1作目だったにもかかわらず
その後の完成され尽くした作品に共通するものを持っていた、
つまりこの作品は、バイオレンス映画として、そして一本の映画として完成されていたのです。

そしてこの映画を撮ったのは、お笑い芸人・ビートたけしではなく、映画監督・北野武でした。
天才映画監督の誕生でした。



その男、凶暴につき [DVD]その男、凶暴につき [DVD]
(2007/10/26)
ビートたけし、白竜 他

商品詳細を見る

その男、凶暴につき ― オリジナル・サウンドトラックその男、凶暴につき ― オリジナル・サウンドトラック
(1995/06/01)
サントラ

商品詳細を見る
スポンサーサイト



コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック