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自分の好きなこと、特にハロプロ関連の話題とテレビ番組の感想について多く書いています。
『共喰い』 田中慎弥
共喰い (集英社文庫)共喰い (集英社文庫)
(2013/01/18)
田中 慎弥

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今回は田中慎弥著『共喰い』について書いていきたいと思います。


内容
一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。

セックスのときに琴子を殴る父と自分は違うと自らに言い聞かせる遠馬だったが、
やがて内から沸きあがる衝動に戸惑いつつも、次第にそれを抑えきれなくなって―。

川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の物語。

大きな話題を呼んだ第146回芥川賞受賞作。

第144回芥川賞候補になった『第三紀層の魚』が併録されている。

文庫化にあたり瀬戸内寂聴氏との対談を収録。


感想
田中慎弥さんといえば、
本作で146回芥川賞を受賞した際に行われた会見で刺激的な発言をし、世間の注目を集めました。

そんな世間的な注目度もあって、本書は純文学界では異例ともいえる大ヒットを記録したのです。

いわゆる話題先行型のヒットでした。

しかし本作を読んでみると、そういった話題以上の衝撃が作品の中にあることに気付かされます。

主人公の遠馬は、セックスのときに女を殴る父を嫌だと思っています。

しかしその父と同じ血が自分には流れているのです。

遠馬は、彼女である千種に同じことをしてしまうのではないか、という恐怖と戦います。

しかしその徴候ともいうべき行動を遠馬はとってしまうのです。

遠馬が戦っているものは何か?

それは己が背負ってしまった「業(カルマ)」です。

その業との戦いを、田中さんは何とも言えない筆致で描いています。

それは、ある意味で暴力的であり、ある意味で狂気的だともいえます。

あの会見以上の衝撃がここにはある、と断言していいと思います。
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