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自分の好きなこと、特にハロプロ関連の話題とテレビ番組の感想について多く書いています。
新説「北野武劇場」―脚本家・北野武の誕生―
第1作目『その男、凶暴につき』の公開から約1年が経った1990年9月、
第2作目『3-4X10月』は公開されました。

『3-4X10月』の読み方は「さんたいよんえっくすじゅうがつ」です。
非常に変わったタイトルですが、
「3-4X」の部分は劇中に登場する草野球の試合のスコアボードに表示された"3-4x"に由来し、
「10月」の部分は当初この映画が10月公開予定だったことに由来しています。
しかし実際は公開が9月に早まってしまったため、
このタイトルは当初の意味を失い、ただただ難解なタイトルになってしまいました。

この『3-4X10月』には、たけし軍団のメンバーが多数出演しています。
『北野武劇場』によれば、この映画が製作された当時、
たけし軍団のメンバーの個々での仕事が増え始めていたため、
たけし軍団の解散を記念した映画を作ろうということになり、この映画が出来たそうです。
結果的には解散はしないわけですが、
この映画で主演を務めたたけし軍団の柳憂怜さん(本作では小野昌彦という本名で出演)が
後に俳優として活動していくことになるなど、
たけし軍団にとって大きな分岐点となった映画だといえるでしょう。

前作『その男、凶暴につき』では脚本は野沢尚さんが担当していましたが、
『3-4X10月』では北野武監督自身が脚本を担当しました。
実はこの2作目の脚本も野沢さんに依頼したそうなのですが、
前作で大幅に自身の脚本を改編されたことに憤慨していた野沢さんが断ったため、
脚本家・北野武は誕生したわけです。
ただ、野沢さんの脚本を大幅に改編したことからもわかるように、
北野監督は前作で既に脚本家ともいえるような仕事はしており、
何の問題もなく脚本家として出発したと十分に考えられます。
その証拠ともいうべきか、北野監督はその後の全作品で脚本を担当しています。

『3-4X10月』は、脚本家・北野武のデビュー作ということもあり、
前作よりも北野映画の色みたいなものがより濃く出た作品だといえます。
台詞の少なさ、作品全体に漂う静謐な雰囲気、画面に青みをかけるいわゆる「キタノブルー」、
これら本作に見受けられる表現は、まさに北野映画の特徴と呼ばれるものたちです。
それ以外にも、柳さん演じる優樹と石田ゆり子さん演じるサヤカのデートの場面に見られる瑞々しさは、
次作の『あの夏、いちばん静かな海。』に共通するものだといえます。
つまり『3-4X10月』は北野映画の原型ともいうべき作品なのです。

北野監督が所属するオフィス北野の社長であり、数々の北野映画でプロデューサーを務める森昌行さんは、
『3-4X10月』を自身が思う北野映画のベスト1に挙げています。

興行面こそ奮いませんでしたが、後の北野映画に共通する点が見られることや、
北野監督の盟友ともいうべき森さんがベスト1に挙げていることからわかるように、
この『3-4X10月』は北野映画の中でも重要な位置に置くべき作品なのです。



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