今回は島田裕巳著『日本の10大新宗教』について書いていきたいと思います。
内容
多くの日本人は新宗教をずっと脅威と好奇の眼差しで見てきた。
しかし、そもそも新宗教とはいかなる存在なのか。
「宗教」の概念が初めてできた明治以後それがいつどう成立したか案外、知られていない。
超巨大組織・創価学会に次ぐ教団はどこか、
新宗教は高校野球をどう利用してきたか、などの疑問に答えつつ、
代表的教団の教祖誕生から死と組織分裂、
社会問題化した事件と弾圧までの物語をひもときながら、
日本人の精神と宗教観を浮かび上がらせた画期的な書。
感想
今年一つのニュースが世間を騒がせました。
それは、女優の清水富美加さんが宗教団体「幸福の科学」に出家するというものでした。
これをきっかけに新宗教に対する世間の関心は高まったと言えます。
残念ながらこの本では幸福の科学のことは取り上げられていませんが
(「GLA」の章で〝幸福の科学″の名前は出て来る)、
新宗教というものを知る上でこれほどの良書はないんじゃないかと思います。
この本では、批判的でも肯定的でもなく客観的に新宗教団体について述べられています。
教祖ともいえる人のカリスマ性や「手かざし」に頼った新宗教団体は分派しやすい。
終末論を掲げた新宗教団体は盛り上がる一方で必ず衰退する。
等々、分かりやすくかつ的確に新宗教の実態について述べられているのです。
新宗教に対して批判的ではない冷静な態度で接し、そして理解することは、
現代に生きる我々にとって必須の行為だと言えるでしょう。
そういった行為をしていく上で、この本は重要な手引きとなってくれるはずです。
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