今回は『来る』について書いていきたいと思います。
内容
恋人の香奈との結婚式を終え、
幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に謎の来訪者が現れ、
取り次いだ後輩に「知紗さんの件で」との伝言を残していく。
知紗とは妊娠した香奈が名づけたばかりの娘の名前で、
来訪者がその名を知っていたことに、秀樹は戦慄を覚える。
そして来訪者が誰かわからぬまま、
取り次いだ後輩が謎の死を遂げる。
それから2年、
秀樹の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、
不安になった秀樹は知人から強い霊感を持つ真琴を紹介してもらう。
得体の知れぬ強大な力を感じた真琴は、
迫り来る謎の存在にカタをつけるため、
国内一の霊媒師で真琴の姉・琴子をはじめ、
全国から猛者たちを次々と召集するが…。
感想
人間は必ずと言っていいほど裏の顔を持っています。
それはこの『来る』の登場人物たちも同様で、
田原秀樹は良きパパを演じる裏で育児放棄をしており、
妻の香奈は物静かそうな妻を演じる裏で激しい気性を秘めています。
もちろんそれは他の登場人物たちも同様で、
裏の顔(本当の顔)がそれぞれにあるのです。
もちろん迫りくる得体の知れない物体に対する恐怖はあるのですが、
この作品全体を見渡した時に一番恐いのは人間の裏の顔であると思わされます。
この『来る』という作品は、
ハッキリとした説明がなく話が進んでいく為、いかようにも解釈が出来る作品で、
自分は人間が心に抱えた思いが得体の知れない物体を呼んだと考えたわけですが、
人間(特に子供)が抱く負の思いの力がどんな力よりも強大だというのは、
この作品の世界にとどまらず、
世間一般に広く当てはめることが出来ることだと言えるのではないでしょうか。
だからこそ、
負の思いは抱かないようにしなければならないし、
抱かせないようにしなければならないのです。
こんな教訓も含めて、観終わった後に確実に何かが残る作品です。
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