今回は『君は月夜に光り輝く』について書いていきたいと思います。
内容
高校生の岡田卓也が出会った同級生の渡良瀬まみずは、
不治の病である発光病で入院生活を送っていた。
細胞の異常によって皮膚が発光するその病気は、
死が近づくにつれて光が強くなり、
成人するまで生存した者はいない。
卓也は、
病院から外出が許されないまみずに代わり、
彼女の願いを実行し、
その感想を彼女に伝える「代行体験」を始め、
まみずは卓也との代行体験を通し、
人生の楽しみを覚える。
次第に2人の距離は縮まっていくが、
卓也とまみずは避けることができない死の恐怖に襲われる。
感想
人間の心には強い部分、弱い部分の両方が存在しています。
強い部分の多い人が「ポジティブ人間」と呼ばれ、
弱い部分の多い人が「ネガティブ人間」と呼ばれるわけです。
しかしながら圧倒的な恐怖、
この映画でいえば抗うことの出来ない死の恐怖に接した時、
どんなにポジティブな人でも弱い部分を見せずにはいられないのです。
そんな時に、心の強い人、
しかも他人にポジティブを強要しない人が傍に居てくれたら、
それは大変に幸運なことだと言えます。
この物語の主人公である渡良瀬まみずはその幸運に恵まれました。
岡田卓也という”たまに”優しく、強い心を持つ少年が傍に居てくれたのです。
卓也は本当に強い人です。
自らも過去に悲しい出来事を経験し、
しかもその出来事が起きるキッカケになった病と
同じ病に苦しんでいるまみずの傍に寄り添い、
再び圧倒的な悲しみに襲われると分かっているのにも関わらず、
弱っているまみずの傍で心の支えになり続けるのです。
この卓也の強さ、優しさに胸を打たれる一作です。
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