今回は森晶麿著『探偵はBARにいる3』について書いていきたいと思います。
内容
ススキノで探偵をする“俺”は、
相棒である高田の後輩から、
失踪した恋人・麗子の捜索を頼まれる。
調査の過程で、
麗子がバイトをしていたモデル事務所のオーナー・岬マリに会った“俺”は、
なぜか既視感を抱く。
だがその直後に何者かの襲撃を受け、
捜索から手を引くよう脅されることに。
事件は札幌で成長著しい北城グループの幹部殺害事件とつながっていたのだ―
劇場映画第3弾となるオリジナルストーリーをノヴェライズ。
感想
この小説は、
映画「探偵はBARにいる」シリーズの第3弾となった『探偵はBARにいる3』を、
ノヴェライズ化した作品です。
これまでの2作品は東直己さんの小説を原作に製作されてきましたが、
『探偵はBARにいる3』からはオリジナルストーリーで映画が作られました。
じゃあこれまでと全く違う作品なのかと言うと、当然そんなことはないわけです。
東さんが生み出した<探偵>というキャラクターを
そのまま生かし、否、より魅力的に仕上げているのです。
この作品の中で、
そんな<探偵>の魅力をウェイトレスの峰子が以下のように語っています。
「いい男じゃないところがいいというか、かといって三枚目じゃない、
何かしらね、あの微妙な匙加減。
たぶん、すんごい優しいんだろうな。」
(P215から引用)
これは<探偵>の魅力を端的に言い表しています。
<探偵>は「すんごい優しい」のです。
だからトラブル(揉め事)にも巻き込まれるし、
そのトラブル(揉め事)から逃げ出すこともできないのです。
しかしながらというべきかだからと言うべきか<探偵>は人を惹きつけるのです。
この作品の読者もまた<探偵>に惹かれるはずです。
スポンサーサイト
| ホーム |