今回はさくらももこ著『もものかんづめ』について書いていきたいと思います。
内容
「こんなにおもしろい本があったのか!」と
小学生からお年寄りまでを笑いの渦に巻き込んだ爆笑エッセイの金字塔!!
著者が日常で体験した出来事に父ヒロシや母・姉など、
いまやお馴染みの家族も登場し、
愉快で楽しい笑いが満載の一冊です。
「巻末お楽しみ対談」ではもう一度、
全身が笑いのツボと化します。
描き下ろしカラーイラストつき。
感想
エッセイというのは、
日常にあるモノやコトを
著者のフィルターを通したらこう見える、こう思うと伝える文章であります。
ゆえにその著者のフィルター(感覚)が
どのようなものであるかが重要になってくるわけです。
その点において、
この本の著者であるさくらももこさんは類い稀なる感覚の持ち主でした。
「ええ。よくお遊戯とかするでしょ。
あんなの、ほんとうに馬鹿らしくてやりたくなかったですから。
それで、父兄参観日なんかあって、
その時に親たちにお遊戯を見せるんですけど、
なぜそんなことをしなければいけないのかと思って幼稚園から逃げたんです。
そしたら、お母さんにラーメン屋の前で捕まって、
「なぜ逃げるの?」と聞かれて、黙っていました。
心のなかでは、「ばかばかしくて、やってられない・・・・・」っていう気分でしたけど、
そんなことを言っても、この親にはわかってもらえないんだろうな、
ということまで含めてわかっていたんで、逃げた理由を言わなかったんです。
幼稚園の年少さんだから、三歳か四歳だったと思いますけど、
私そういう子だったんです。」
(P248から引用)
何ともひねくれた子どもです(笑)
しかしながら小さいころからこの感覚があったからこそ、
日常を他人とは違う感覚でとらえ、
それをマンガに描き、エッセイを著すことが出来たのだと言えます。
「ひねくれた感覚」というのはある意味で「天賦の才」なのかもしれません。
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