今回は又吉直樹著『第2図書係補佐』について書いていきたいと思います。
内容
僕の役割は本の解説や批評ではありません。
自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いました。
(まえがきより)。
お笑い界きっての本読みピース又吉が
尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、
胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。
巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。
感想
読書によって人生が変わることがあります。
多くの成功者たちもこの一冊で自分の人生が変わったとか、
この一冊に大きな影響を受けたとか、
それぞれに人生を変えた(影響を受けた)一冊を持っているのです。
もちろん一冊だけではなく、
多くの本を読んだ事によってその人の人生が形作られた例はごまんとあるのです。
この本では、お笑い界きっての読書家である又吉さんが、
そんな読書体験への導きを、
一見その本に関係ないような自身の体験を交えながら面白く、
全く押しつけがましく無くしています。
また巻末にある小説家の中村文則さんとの対談の中では、
自身が本を読み始めたキッカケの話、
なぜ太宰治が好きなのか?などの話について語っています。
「暗い小説を読むというか、それがなかったら生きていけない人もいますからね。」
(P223からの引用)
又吉さんは、小説を読むことで救われ、
小説を読むことで人生が変わった人だと言えます。
そんな又吉さんの思いが綴られたこの『第2図書係補佐』ですが、
最近ブレーク中のお笑いコンビ・EXITの兼近さんは
この本を読んでお笑い芸人を目指したそうです。
本によって人生を変えた男が綴った一冊が、
また別の人間の人生を変えていくなんて何ともドラマティックな話です。
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