松山弘平騎手騎乗のデアリングタクトが勝利しました。
この勝利により史上初となる無敗での牝馬3冠が達成されました。
このことに関する記事が『サンケイスポーツ』に掲載されていたので以下で紹介します。
牝馬3冠最終戦の秋華賞が18日、京都競馬場で行われ、
1番人気デアリングタクト(栗東・杉山晴紀厩舎、3歳)が
中団追走から差し切り、
史上6頭目、無敗では史上初となる牝馬3冠を達成した。
全5戦で手綱を取ってきた松山弘平騎手(30)=栗東・フリー=は
胸をなで下ろしつつ
「できれば、このまま無敗でいきたい」とパートナーとのさらなる快進撃を誓った。
空に人さし指を突き立てると、すぐさま、誇らしげに3本指を立てた。
史上初となる、無敗での牝馬3冠達成。
デアリングタクトの全5戦をともに歩んできた松山騎手が喜びをかみしめた。
「ホッとした気持ちです。
この馬に携われて、感謝の気持ちしかありません。
牝馬3冠を達成できてうれしかった。
“史上初”の重圧もありましたが、馬を信じてやるだけでした」
道中は中団で進め、3~4コーナーでスーッと先頭集団にとりついた。
直線を迎えるまでじっくりと構えていたこれまでと違い、自ら動く強気の競馬。
直線では馬場の真ん中から力強く脚を伸ばす。
ラスト1ハロン付近で先頭に立つと、
2着以下を振り切って栄光のゴールへ飛び込んだ。
史上6頭目、無敗では史上初の牝馬3冠の金字塔だ。
馬場から引き揚げる際には、ファンにガッツポーズ。
秋晴れの淀が一瞬で華やいだ。
「拍手は届いていましたし、うれしかった。
ファンあっての競馬ですし、早く日常が戻ってほしい」。
1週前から競馬場への観客の入場が再開され、
春以降では初の有観客GI。
快挙を待ち望んでいたファンの目の前で偉業を成し遂げ、喜びは倍増した。
さらに直後の京都12Rも制し、初のJRA年間100勝も達成。
「すごい日。本当にうれしい日になりました」と白い歯をのぞかせた。
デビュー12年目の30歳。
牝馬3冠ジョッキーの称号とともに、進化は止まらない。
競馬学校を卒業間近の2009年1月。
同時期に厩務員課程に在籍していたのが、
デアリングタクト担当の池水助手だった。
11年の時をへてつながった“同期生”の縁。
前哨戦を使わず直行となった今回も、松山騎手が密に連絡を取り、
4週連続で追い切りに騎乗して調整。
池水助手は
「学校で一緒だったぶん、
スムーズにコミュニケーションをとれたと思いますね」と感謝した。
次走は未定だが、
今後は今週の菊花賞で無敗3冠を狙う同い年のコントレイルや
最強牝馬アーモンドアイなど、牡馬や年長馬の強敵との戦いが待っている。
それでも、松山騎手のパートナーへの信頼は揺るがない。
「強い馬はたくさんいますが、ひけを取らないと思います。
ここまで無敗で来ていますし、できれば、このまま無敗でいきたい」。
世代最強牝馬から、現役最強馬へ-。
若き牝馬3冠ジョッキーは、これからも大胆なタクトをふるう。
歴史は作られました。
余裕さえ感じられるレース展開で、
まだまだこの馬の底の知れなさを感じさせました。
そして手綱をとった松山騎手は勝ってなお謙虚な姿勢を貫き、
馬とともに好感が持てます。
まだまだこの名コンビの活躍は続きそうです。