今回は鷲田小彌太著
『坂本竜馬の野望 33年の生涯とその時代』
について書いていきたいと思います。
内容
司馬遼太郎の不朽の名作『竜馬がゆく』によって、
幕末史の大スターとして知られる坂本竜馬。
2010年のNHK大河ドラマも、『龍馬伝』に決定し、
そのキャスティングなどから、
新たな竜馬像の創出と展開が期待されている。
本書では、
日本屈指の「時代・歴史小説の読み手」であり、
このジャンルに深い造詣を持つ著者が、
数多の「坂本竜馬伝」の中から読みどころのあるものを厳選抽出し、
その中に、
「果たして、あの時代に
竜馬が本当にやりたかったこととは何なのか?」を、探ってゆく。
風雲の時代を駆け抜けた男の志のありかを読み抜く、
力作歴史読み物である。
感想
坂本竜馬は、日本の歴史上のトップスターであり、
多くの人に愛されるヒーロー(英雄)であります。
ゆえに坂本竜馬を扱った作品は多く存在します。
しかしながら、その多くは坂本竜馬の良い面に焦点を当て、
坂本竜馬=ヒーローに仕立て上げようとしています。
つまりは坂本竜馬の実像に迫っているとは言い難いのです。
「存命中にはその「本意」が理解されず、
死後も正しく「評価」されず、
家系も血族も国家の「 庇護」を受けることなく打ち捨てられ、
その時々の時代の都合で引っ張り出されて「利用」され、
「伝説」化されてきて、
「虚像」をふりまいてきたという意味では、
「悲しい存在」であるということも事実である。」
(本文中からの引用)
坂本竜馬の33年の生涯を追いながら、
その実像に迫ろうとするこの本は、
坂本竜馬のファンならずとも一読して損のない1冊です。
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