今回は北海道新聞取材班著
『解明・拓銀を潰した「戦犯」』
について書いていきたいと思います。
内容
思惑絡みで生贄にされた!?
バブルに踊った名門銀行への重い“非情な宣告”!
バブルに踊り、金融不安に翻弄された拓銀。
危機に瀕してなお大蔵省を頼る経営陣に官僚はつれない。
名門都銀は新しい金融システム構築の生贄にされたのか?
破壊された地域経済と、市民生活の再生は可能か。
渾身の新規取材を加え、
エリートたちの「犯罪」を徹底的に追及する。
(『拓銀はなぜ消滅したか』改題)
感想
北海道拓殖銀行、
通称「拓銀(たくぎん)」が経営破綻したのは1997年のことでした。
北海道民にとっては大変に馴染みの深い銀行で、
破綻当時、自分は子供でしたが、
両親がお年玉等を貯金するために拓銀の通帳を作ってくれていました。
子供だった自分でさえもそうなのですから、
自分の上の世代の人たちにとって拓銀は特別な存在で、
いまだに拓銀の話題になると話が止まらないという人が少なくないのです。
「経営破綻で結果的に多くの一般企業を倒産に追い込み、
北海道経済をどん底に突き落としたのも同じ拓銀。
それでも、多くの利用者からはねぎらいと慰めの言葉が贈られ、
行員たちはそんな利用者たちに流れる涙をぬぐいながら何度も頭を下げた。
これほどまで素直に、
そして心から人に感謝できたことがこれまでにあっただろうか。」
(本文中からの引用)
上記の引用した文は、拓銀の営業最終日を描いた項に出てきます。
北海道経済を窮地に追いやった拓銀を糾弾する人はもちろん居ました。
しかし北海道民にとって拓銀は特別であり、
その最後を見届けよう、感謝を伝えようという人が大勢居たのです。
そんな人たちに真実を伝えるためにも、
なぜ拓銀は破綻せねばならなかったのかについて
追及する必要があったのです。
その役割の一端を果たしたのがこの1冊です。
この本は20年以上前に発売された1冊ではありますが、
今読んでもなおその当時の衝撃や臨場感がよく伝わってきます。
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