今回は太田光著『マボロシの鳥』について書いていきたいと思います。
内容
舞台芸人チカブーによる今世紀最大の演し物「マボロシの鳥」。
誰もが夢中になる、
そして見る者によって全く印象が違うという、
美しく輝く不思議な鳥を、
ふとしたことからチカブーは失ってしまうが…(表題作)。
世界一美しいといわれる島で、
数十年を経て、
不発弾がある家族にもたらした皮肉な運命(「タイムカプセル」)。
人類の愚かさと愛しさを描き、
世界の真理に迫る希望の物語。
感想
爆笑問題の太田光さんの処女小説です。
読書家として知られる太田さんによる待望の1冊です。
「反応に関しては賛否両論。
どちらも感激した。
意外だったのは
『太田光が前面に出すぎている』という指摘が多かったことだ。
あれで?と思われるかもしれないが、
実は私は、
今回の小説は自分の気配を消すということに一番気を使った。」
(「文庫版あとがき」からの引用)
引用した文にあるように太田さんは意外と言いますが、
太田さんの色を強く感じる1冊です。
「人間諸君!」という作品なんかは、
太田さんだからこそ書けたのだと思えるような作品です。
2010年に出版されたということで少し前の本にはなりますが、
いま読んでも楽しめる1冊であります。
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