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自分の好きなこと、特にハロプロ関連の話題とテレビ番組の感想について多く書いています。
近代競馬150周年(15)―日本競馬を創った男―
今年が近代競馬150周年と宣伝されるように、日本で近代競馬が形成されたのは1862年のことです。
横浜レースクラブが組織され、西洋式近代競馬が横浜外国人居留地で初めて行われてたのが最初でした。
そんな日本の近代競馬を、競走馬の改良という面から飛躍的に進化させた一人の男がいます。

第15回目となる今回は、 日本の畜産業を発展させた「エドウィン・ダン」さんについて書いていきます。

エドウィン・ダンさんはアメリカ合衆国のオハイオ州で生まれました。
家族が牧場を営んでおり、その関係からダンさんも牧畜関係の世界に足を踏み入れました。
しばらくは父の牧場で牧畜を学んでいましたが、その後に叔父の経営する牧場に移ります。
この牧場では、叔父が競馬に熱心だったこともあって、本格的な競走馬生産が行なわれていました。
ここでの競走馬生産の経験が、日本での競走馬生産や競走馬の改良に役立ったことはいうまでもありません。

1873年にダンさんにある転機が訪れました。
それが日本からの、開拓使の技術指導者いわゆる「お雇い外国人」としての契約の誘いでした。
この誘いは、開拓使次官であった黒田清隆さんが親交のあったアメリカ農務長官ホーレス・ケプロンさん、
その息子エー・シー・ケプロンさんによってダンさんが推挙されたことが大きな理由でした。

そして日本に来日したダンさんは当初、東京官園において開拓使官吏に農畜産の技術指導を行ないました。
その内容は欧米式の近代農法および獣医学でした。
当時の日本には獣医学に関する指導をするための西洋獣医学の知識を持っている人がいなかったので、
実地で学んできたダンさんの知識と経験は非常に貴重なものとなりました。
しかし、北海道の開拓をすることを目的とした技術指導を東京で行なうということに、
ダンさんが疑問を持っていたということも事実のようです。

北海道で実際に技術指導をしたい、そんなダンさんの思いが叶ったのは1875年のことです。
東京から北海道函館近郊の七重へと移り、技術指導を始めたのです。
ここで、馬の去勢技術を指導しました。
気性の悪い牡馬を去勢によって温和にするということは当時の日本では一般的ではなく、
七重の地元民の多くは去勢に反対しましたが、
日本における馬術の第一人者である函館大経さんが理解を示し行なわれることになったそうです。
このことを機に、日本でも馬の去勢は次第に受け入れられるようになりました。

1876年に札幌に移ったダンさんは、洋種馬と日本在来種である南部馬との交配を試みました。
さらに同年、開拓使が北海道に競馬場を建設することを計画し、
ダンさんの提案などを参考にしながら北海道育種場競馬場が建築されます。
この競馬場は北海道における西洋競馬の定着に大きく寄与しました。
その後、1886年に建設された中島競馬場はダンさんの設計に基づいて建設されたものです。

1877年に新冠に牧場を移したダンさんは、この牧場でより馬の生産に力を入れました。
その結果、根岸競馬場におけるレースに優勝する競走馬や全国博覧会で一等賞をとる馬を生産するなどし、
新冠の牧場を名実ともに北海道における馬産の拠点として発展させたのはダンさんの功績の一つです。

もう一つの功績は、牧場を成長させると同時に、日本における競走馬生産を成長させたことです。
ダンさんがいなければ、日本の近代競馬の成長は大きく遅れたものになったといえるでしょう。
「お雇い外国人」として決して目立たない存在ですが、日本で残した功績は非常に大きなものだったのです。
そういったことからすれば、エドウィン・ダンという人物はもう少し知られてもいいと思います。


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コメント
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恵藤憲二朗と申します
恵藤憲二朗と申します
この日記はためになりますね。
また来ます。
2012/12/10(月) 12:14:15 | URL | 恵藤憲二朗 #TY.N/4k.[ 編集]
Re: 恵藤憲二朗と申します
コメントありがとうございます。
「ためになる」というお言葉、非常に嬉しいです。
是非またお越しください。
2012/12/10(月) 16:45:30 | URL | 26パッチ #-[ 編集]
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